おくるみの巻き方が、どうしてもうまくいかない。 すぐにほどけてしまったり、赤ちゃんが窮屈そうに見えたり。 「自分の巻き方が悪いのかな」と感じてしまう方も多いかもしれません。
でも実はそれ、巻き方の問題ではなく、おくるみ自体が合っていないだけということも少なくないのです。
この記事では、初めてでも無理なく包めるおくるみの巻き方と、 自然ときれいに巻ける「おくるみの選び方」をあわせてご紹介します。
赤ちゃんにとっても、包む側にとっても、心地よい育児の時間が訪れるように、おくるみ専門店で働く、元幼稚園教諭が詳しく解説いたします。
なぜ「素材」と「サイズ」で巻きやすさが変わるのか
「何度練習しても、すぐにはだけてしまう」 そんな時は、お使いのおくるみの素材とサイズを見直してみてください。
伸縮性と通気性に優れた素材を選ぶ
硬い生地や厚手すぎる素材は、赤ちゃんが動いた拍子にズレやすく、 結果として「巻きにくい」と感じる原因になります。
おすすめなのは、モスリンコットン100%のおくるみ。
モスリンコットンは、 ・通気性が高くムレにくい ・薄手で体にやさしく沿う ・洗うほどに空気を含み、ふんわり育つ という特長があり、赤ちゃんの丸い体に自然にフィットします。
無理に引っ張らなくても形が整いやすいため、 初めてのおくるみでも扱いやすい素材です。
大判サイズだから、崩れにくい
おくるみが崩れてしまう大きな理由のひとつが、サイズ不足です。
120cm × 120cmの正方形サイズであれば、 布の余白をしっかりと赤ちゃんの体の下に入れ込むことができ、 動いてもはだけにくくなります。
おくるみが上手く巻けないという方は、ご使用のおくるみのサイズをご確認ください。布には既成サイズが有り、100〜110cm幅が多い傾向が有ります。
入眠に効果的で巻きやすい120cm角の正方形のタイプは、製造出来る織物工場が限られてくるため、少し価格が高くなってしまいますが、10cmの差で、巻きやすさは確実に変わってきます。
また、大判サイズは ・成長後もブランケットとして使える ・授乳ケープや日よけとしても活躍する など、長く使える点も魅力です。
おくるみの効果とメリット
ここであらためて、おくるみを使うメリットを整理しておきましょう。
- 安心感を与える 赤ちゃんは、ママのお腹の中にいた時のように背中が丸まった姿勢で包まれることで、安心感を得やすくなります。
- モロー反射をやわらげる 眠りに入った直後にビクッと体が動く「モロー反射」。おくるみで包むことで、急な手足の動きを抑え、眠りを妨げにくくすると言われています。
- 体温調節をサポートする 新生児は体温調節が未熟です。通気性の良いおくるみを使うことで、暑くなりすぎず、寒暖差から守ることができます。
実践|おくるみの巻き方
ここからは、新生児から使いやすい基本のおくるみの巻き方をご紹介します。
基本巻きの巻き方
新生児期から2カ月くらいまでのおすすめの巻き方「基本巻き」
基本巻きは海外では「スワドリング」とも呼ばれ、もっとも基本的な世界共通の巻き方です。
■ポイント赤ちゃんの身体の下に入れた布は、シワにならないようできるだけ伸ばしてください。大人でもシワの上で寝るとゴワゴワしますよね。
おひな巻きの巻き方
「おひな巻き」とは、元々トコちゃんベルトで有名な有限会社青葉が開発した、メッシュ素材のおくるみ用の布製品の名前でした。
今では赤ちゃんを自然な形で寝かせる方法として親しまれています。
ママのお腹の中の胎児姿勢をおくるみで再現してあげる巻き方です。
赤ちゃんにとって丸い姿勢は落ち着く姿勢なので、寝つきが良くなったり泣き止んだりすることがあります。
半ぐるみの巻き方
赤ちゃんが手を使うことに興味を持ち、基本巻きやおひな巻きを嫌がるようになったら、両手を自由にして、下半身だけを包んであげましょう。
半ぐるみの巻き方は手を包まないだけで、基本巻きと同じです。
月齢別 おくるみのおすすめの巻き方
新生児から生後2ヶ月頃まで
新生児から生後2ヶ月頃までは、おなかの中で丸まっていた赤ちゃんは、きゅっと体を包み込まれると安心するといいます。
また、モロー反射で赤ちゃんがよく起きてしまうので、「基本巻き」や「おひな巻き」がおすすめ。
もし赤ちゃんが手を動かすことに興味を持ち、基本巻きやおひな巻きを嫌がるようになったら、半ぐるみにしてあげましょう。
生後3ヶ月~4ヶ月頃
生後3~4ヶ月頃の赤ちゃんは、そろそろ首がすわってきます。
モロー反射もなくなり、いろいろなものに興味を示すでしょう。
好奇心旺盛な赤ちゃんは、手足を動かすのが楽しくなってきます。もしかしたらおくるみを嫌がるようになるかもしれません。
手を動かすことに興味を持ち始めたら、下半身だけを巻く「半ぐるみ」にしてあげましょう半ぐるみなら窮屈さがなく、両手の自由もききます。
おくるみの巻き方での注意点
赤ちゃんがおくるみを嫌がる場合
おくるみを使った寝かしつけは多くの赤ちゃんに有効とされていますが、なかには巻かれることを嫌がる赤ちゃんもいます。
そのような時は、無理におくるみを使用するのはやめましょう。
おくるみはあくまで寝かしつけの方法のひとつと考えてください。
きつく巻きすぎないようにする
おくるみは隙間に大人の手のひらが入るくらいの感覚で巻いてください。
きつすぎると赤ちゃんは苦しく感じてしまうかもしれませんし、中に熱がこもり、体温が上がりすぎてしまう可能性があります。
赤ちゃんを温めすぎないようにする
おくるみを巻く時は、赤ちゃんの足はM字が基本姿勢です。
赤ちゃんの足を真っ直ぐに伸ばしたり、ねじれたりした状態でおくるみを巻かないでください。
先天性股関節脱臼(せんてんせいこかんせつだっきゅう)の原因になるという説があります。
長時間の利用は控える
「乳幼児突然死症候群(SIDS)」という病気を知っていますか?
原因はまだはっきりと解明されていませんが、赤ちゃんを温めすぎると乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めるという説もあるようです。
おくるみで赤ちゃんを巻く時は、体温の上昇に気をつけなければいけません。
薄い生地のおくるみを使ったり、おひな巻きなら手を出したりして、赤ちゃんの体温の逃げ道を作ってあげましょう。
足の形に気をつける
気をつけていても、もしかしたら赤ちゃんの足を締め付けてしまっているかもしれません。もしかしたらおくるみをきつく巻いてしまって、体温が上がってしまっているかもしれません。
そのため、赤ちゃんを長時間基本巻きやおひな巻きの状態にしておくことはおすすめできません。
赤ちゃんがしっかりと眠ったら、おくるみをほどいてあげると安心です。
赤ちゃんから目を離さないようにする
基本巻きやおひな巻きをした赤ちゃんが万が一寝返りをしてしまった場合、首を横に向けることができません。
そうすると窒息する危険性が高く、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まると考えられます。必ず赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。
おくるみは、育児の合間に目に入る「癒やし」
Stella Mimoreのおくるみは、 「赤ちゃんに贈る初めてのアート」というコンセプトを掲げ、最高品質のおくるみを企画デザインしています。
そして、夜泣きや寝かしつけで疲れ、今ここで「おくるみの巻き方」を調べている方の気持ちを、少し整えてくれる…
赤ちゃんのためのものだけれど、 同時に、包む大人の心にもやさしい存在でありたい。 そんな視点で、デザインを選んでいます。
まとめ:巻き方よりも、まず「おくるみ選び」から
おくるみがうまく巻けないと感じたら、 まずは自分を責めずに、 おくるみそのものを見直してみてください。
・体に沿うやわらかな素材
・余白のある大判サイズ
・使うたびに心地よさが増す生地
それだけで、包む時間はずっと穏やかなものになります。
赤ちゃんとの毎日に、
静かに寄り添う一枚として。
Stella Mimoreのおくるみが、 その時間のお役に立てたら嬉しいです。
1枚あると、毎日手に取る
https://stellamimore.jp/